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USB変換器の製品化に寄せて | ||
| 山形大学 大学院理工学研究科 助教授 | |||
USB変換器 (YUSB-01) が製品化された。変換器と付属電極、そして専用ソフトをインストールしたPC。この3点セットで、pHまたは酸化還元電位 (ORP) 測定とデータ保存、グラフ化と加工が、手軽に、どこでも、自由にできる。独自電源も不要、USBハブで同時計測も可能で、価格が電極と専用ソフト付で税込5万円と、研究者にとって夢の装置の登場である。 |
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| USB変換器は、マイクロクーロメトリ装置開発の過程で誕生した。1986年に銅酸化物超伝導体が発見され、超伝導フィーバーがおこった。銅酸化物超伝導体の超伝導特性が酸素量によって決定されることがわかって、酸素量測定は超伝導研究に不可欠の技術となる。その後、超伝導体の薄膜化や単結晶化、さらには酸化物エレクトロニクスの進展もあり、微量試料の酸素量測定法であるマイクロクーロメトリのニーズが高まった。私は、マイクロクーロメトリ装置研究を2000年に開始した。ここでは、従来の10分の1の溶液
(30ml) 中で、陽極・陰極・ORP電極の3つの電極を安定して動作させる高い技術が要求される。その技術を持つメーカーを全国探しまわり、最後にたどり着いたのが、山形県新庄市にある山形DKK(株)であった。灯台もと暗しとは、このことである。県内企業ということもあり、共同研究は非常にスムーズに進んだ。2003年より山形DKK(株)と産学共同研究を開始、2005年には山形県産業技術振興機構の援助も受け、産学官連携研究へと発展した。2005年末にはマイクロクーロメトリ装置を完成。従来の10分の1の5mgの試料で酸素量を測定することに成功した。 装置には、もう一つ問題があった。酸素量測定には、ORP電極の酸化還元電位の変化を時刻と共に記録する必要がある。実験後は記録したデータを加工し、グラフ化して二次データとして利用する。そのため、測定データは10秒ごとに手作業でノートに記録し、実験終了後は、PCにデータを打ち込むという膨大な時間をかけていた。GPIBなどでPCにデータを取り込むシステムも考えたが、GPIB付の測定器、ケーブル、ボード類は高価で、手が出ないでいた。共同研究を行っていた山形DKK(株)に相談したところ、間もなくUSB変換器のプロトタイプを持ってきてくれた。データをテキスト表示するだけの簡単な機能だったが、驚くほど使いやすい。データの入力間隔を短くしても問題なく動作する。使い勝手の改良や要望にも快く応じてもらい、グラフィック機能や様々なコマンド機能が次々と追加されていった。おかげで、マイクロクーロメトリの研究開発は大いに加速し、USB変換器はスピンオフ技術として製品化に至ったのである。 産業界の技術、大学の智恵、県のコーディネートという産学官連携の理想のコンビネーションで世に出たUSB変換器 (YUSB-01) を、様々な研究開発の場で役立てていただきたい。 |
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